漢方治療エビデンスレポート
日本東洋医学会EBM委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース
10.
呼吸器系の疾患
(
インフルエンザ、鼻炎を含む
)
文献
西澤芳男, 西澤恭子, 後藤広恵. 麻酔科領域の視点から 難治性・慢性内科疾患の慢性疼
痛. 慢性疼痛 2002; 21: 67-77. 医中誌 Web ID: 2003126703 MOL, MOL-Lib
1. 目的
柴朴湯吸入によるアスピリン喘息患者のQOL改善効果
2. 研究デザイン
ランダム化比較試験 (RCT)
3. セッティング
病院 1施設、診療所 2施設
4. 参加者
アスピリン喘息患者 214名
5. 介入
検討期間は 3 年間、柴朴湯吸入は DSCG (Sodium cromoglycate) 用カプセルに柴朴湯
500μgを充填したものをスピンヘラーで吸入。
Arm 1: 柴朴湯 (メーカー不明) 2.0g 4x 吸入 105名 Arm 2: DSCG 80mg 4x 吸入 109名
6. 主なアウトカム評価項目
自 覚 症 状 、 多 種 の 検 査 、 慢 性 疼 痛 、QOL は 筆 者 ら の 開 発 し た Total-disease related symptoms, visualや analog scale, face rating scoreで判定した。
7. 主な結果
柴朴湯吸入により、各種アウトカム項目が改善した。
8. 結論
アスピリン喘息発作のQOLが改善する。
9. 漢方的考察
なし
10. 論文中の安全性評価
副作用発現率は柴朴湯群が多かったが、出現症例数は両群で有意差はなかった (結果省
略) 。
11. Abstractorのコメント
この著者の柴朴湯吸入療法に関するRCT論文「西澤芳男, 西澤恭子, 吉岡二三, ほか. 柴
朴湯吸入の抗アスピリン喘息効果. 耳鼻咽喉科展望 2001; 44: 5-13.」、「西澤芳男, 西澤恭
子, 吉岡二三, ほか. 柴朴湯によるアスピリン喘息軽減による心的苦痛改善効果. 痛みと
漢方 2001; 11: 14-21.」と似ているが、違いは柴朴湯を蒸留水に溶解したもの、生理食
塩水に溶解したものと今回の粉末をスピンヘラーで吸入するものである。今回の粉末
吸入は利便性が高くQOL改善に寄与するものと思われる。これら3論文に共通してい
るのは、論文構成が怪奇で、説明不十分な概念、結果の省略等が多く、内容を理解す
るのは困難である。
12. Abstractor and date
藤澤 道夫 2009.2.22, 2010.6.1